近年老人ホームやデイサービスなどの福祉施設が設立されることが多くなっているが、それはなぜであろうか。
一つの要因としては高齢者の増加により福祉施設の需要が高まったことが挙げられる。
また、国の政策として要介護認定の制度があり、要介護の状態に応じて介護サービスの利用をする場合に、一定の補助金が支給されるようになった。これも福祉施設の増加の要因の一つに数えられる。
しかし、その反面、福祉施設の中には経営が立ち行かなくなり倒産する施設も増加している。そこで介護で起業する場合には、様々な観点から考える必要がある。
その中でも一番大切な事は、需要がどの程度あるかを考えることである。
例えば、人口の多い都市では人口に比例して要介護状態の人は多い。しかし、要介護状態にある人が多いことと、福祉施設の利用者が多いことは必ずしも一致しない事がある。というのも、今でも社会的に見て要介護状態にある人を介護すべきと考えられているのはその家族である。このような風潮は今でも根強い。そのため、三世代の大家族が多い都市では、要介護状態にある人を家族が分担して介護するケースが多い。
そのため、福祉施設を利用者する人の数は潜在的に多くはない。それにもかかわらず、安易に人口が多い事を重視して介護施設を起業すると、利用者が集まらずに経営が立ち行かなくなり倒産することになる。
したがって、人口のみならずその都市の世帯状況や家族構成を念入りに調査した上で、起業をするべきである。
『参照:介護の起業におけるポイントとは?』